乳がんでセカンドオピニオンを受けるなら知っておきたい基礎知識

「セカンドオピニオン」とは、直訳するとsecond(第2の)opinion(意見)となります。

 

これは『自分の主治医(=担当医)ではない医師に、自分の病気の治療方針などについて意見を求めること』です。

そのシチュエーションはさまざまな場面で考えられます。

 

でも、「セカンドオピニオン」を受けたいと思ったとき...

実際にはさまざまな葛藤も生じ、躊躇(ちゅうちょ)される方もいるでしょう。

 

そんなセカンドオピニオンについて、基本となる流れやスムーズに受けるためのコツを、‘もしも’の事例でお話していきたいと思います。

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はじめに 医療を受けるために欠かせない大前提『インフォームドコンセント』

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セカンドオピニオンの前に、乳がんに限らずどんな病気でも、まず主治医と患者の間には「インフォームドコンセント」の実施が大原則にあります。

 

インフォームドコンセントとは

『患者の病気、治療方法・方針について医師から十分な説明を受け、それらを患者本人が理解し、治療方針について納得した上で同意すること』です。

 

インフォームドコンセントの定義をみて見ると、ほとんどは「納得した上で」の文字が省略されています。

 

心の中に何か引っかかるものがあっても

「はい、、、わかりました」と口での同意はできますね。

 

この最初の主治医のインフォームドコンセントで疑問も迷いもなく『心』から同意できれば、セカンドオピニオンのステップには至りません。

 

もし、ここで主治医の説明に(モヤモヤ...)(ハテナ?)が生じ解消されなければ、納得した同意はできませんし、例えば治療法の選択肢がいくつかあって、主治医が‘お薦め’を話された後に、

 

「でも決めるのは患者さんご自身ですよ」と言われたら、、、とても悩んでしまいます…

そんなときに参考となる道しるべが「セカンドオピニオン」なのです。

 

乳がん患者さんが求めるセカンドオピニオンの実際。

 

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まっさきに思い浮かぶもの…

 

「乳房を全部とるか(全摘)」または「乳房を残すか(温存)」

 

でも意外にも実際の相談場面では「手術後の治療」に関することが多く、この相談が7割を占める病院もあるようです。

 

手術後の治療とは、おもには

①化学療法(抗がん剤治療)

②放射線療法

③ホルモン治療

等があげられます。

 

最近は化学療法を行ってからがんを小さくした後、手術を行うケースも増えています。

 

女性らしさの象徴でもある乳房のダメージと、手術後の視覚的ショックが大きい患者さんの精神負担を最小限にする配慮も手術縮小の背景にあると思われます。

 

手術を主体とした考えではなく、がんの進行状態をみながら①~③を組み合わせ、治療方針に本人の意思も重視するスタンスに変わってきているため、乳がん患者さんは治療法の選択肢も多い分、よりセカンドオピニオンのニーズが強いのかもしれません。

 

‘もしも乳がんの私’が、主治医へセカンドオピニオンを切り出すとしたら…

 

「先生は『がんがある方の胸は全摘します』と言っていたけど、乳房は残ししたい。本当に全摘しないとダメなのかな、、、」

 

手術前の化学療法を先生に勧められたけど、これって絶対しないといけないの…?(しんどい治療はなるべく少ない方がいい)

こういった複雑な想いや迷いがあると、いつまでも心が落ち着きません。

 

では、私が乳がんになったと仮定し‘もしも事例’を通じてセカンドオピニオンをイメージしていくことにします。

 

【もしも事例】

 

生検の結果、右胸の乳がんの診断を受けた私は、主治医から今の病状・今後の治療方針で「右乳房全摘術」を告げられました。

 

この時点では「インフォームドコンセント」がなされた、とは言えません。

なぜなら、私はまだ「納得できる同意」に至っていないからです。

 

「できることなら温存したい、、、他の医師も同じ判断をされるのかな、、、意見を聞きたい」

「セカンドオピニオンを受けたい」

 

そう思いました。

 

でも、ある心配事に直面します。

 

セカンドオピニオンを受けるには、主治医からの①「紹介状」、②「今までの検査データ」を持参しなければいけません

 

『どうやって先生に切り出そうか、、、』

 

この大きな関所をどう通り抜けるかが悩みどころです。。。

 

最初の主治医の意見を「ファーストオピニオン」と言います。

(ここでは最初の主治医=ファーストドクターと表記します)

 

まずここで『私自身がやらなくてはいけないこと』があります。

それは「ファーストオピニオンの内容の理解」です。

 

同意する・しないはさておき、「乳がん」という病気のこと、ファーストオピニオンの内容は自分なりにしっかり理解しておく必要があります。

 

わからないことは主治医に確認したり、ネットで調べたり本を読んで勉強もしなければいけません。

 

セカンドオピニオン先の医師(以下セカンドドクターとします)に提出するものは上記①、②です。

②は血液検査、生検結果、フィルム(マンモ画像など)等、すべての所見です。

 

当然ながらセカンドドクターが、客観的かつ的確に患者像を把握し、診断に導くために必須の材料となるからです。

ですので、①②の持参のない状態で病院受診することは「セカンドオピニオンを受ける」とは言いません。

 

結局、医師に嫌な顔をされるのを怖れ、医師にセカンドオピニオンの希望を切り出せず、初診を装って他の病院を受診する方もあります。

(これは得策ではありませんね、、、検査など二度手間になりお金と時間の無駄です。レントゲンなど身体に余計な負担もかけることになります。)

 

ですので、ファーストドクターには勇気を出してセカンドオピニオンの希望を伝えましょう。

 

【例】

「先生のご説明はわかりました。でも先生、、、私にとってはこんな小さな胸でも大切なものなので、手術でとってしまうとなるととても悲しいんです…

先生のことはとても信頼しているのでこれからも先生にお願いしたいと思っているのですが、他の先生のお話も参考に聞いてみたいと思っているんです。」

 

この例は「セカンドオピニオン」とはっきり言っていませんが、良識あるドクターならこちらの意思は十分伝わると思います。

(と私ならこんな感じでお伝えします。)

 

※患者さんがセカンドオピニオンを得るために他の医療機関へ行きたいと申し出た場合、99%の医療機関が検査資料や病理標本などを提供していると回答されています。

(※引用サイトmedical.nikkeibp.co.jp乳がん治療を始める前に セカンドオピニオンについてより)

 

ですので、安心してください、拒否されることはありません。

それ以上に多くの人が一番懸念するのは「医師の反応」だと思います。

 

先生に悪いかな、、、と思う気持ちや、医師から(僕を信用できないのか?)と思われるのを怖れているからです。

ですので、セカンドオピニオンを希望する一番の理由が「主治医を替えたい」ことでなければ、先生へ信頼を寄せていることを是非アピールしてください。

 

そうすれば医師のprideを傷つけることなく、悪い印象にはなりませんので 

もし、セカンドオピニオンの本当の目的が(この医師とは合わない…)などの理由であれば、上例のような切り出し方は心苦しいかもしれません。

 

「私はとても心配性なので、自分の病気や治療について他の先生の‘お話’も聞いてみたいのです、、、

自分の安心のためにお願いできませんか。」

 

これなら先生に対して嘘のヨイショもせずに済みます。

 

ファーストドクターから得た①②を持って次の病院の先生へお願いすることができます。

 

ただし、、、セカンドドクターへファーストドクターの悪口は差し控えてくださいね。

(乳がんの専門医は他科と比べまだまだ母数も少ない専門分野ですので、先生方は学会などで知り合いだったりするケースもありますので…)

 

こうしてファーストドクターへセカンドオピニオンの希望を伝えたら、次のステップへ進みます。

 

セカンドオピニオンを受ける医師・病院を探す

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1)自分で探す

2)ファーストドクターに紹介してもらう

3)同じ病院の他科の医師から見解を聞く

 

ファーストドクターに紹介してもらわないといけない、同じ病院内で診てもらわないといけないという決まりはありません。

(乳がんのセカンドオピニオンで一般的なのは1)と2)です。

1)を選択される方が多いようですので、以下「自分で探す」ことを想定していきます。)

 

このときに最も重要な視点があります。

 

『何を聞くのか。何について知りたいのか。』

 

はっきり言ってこれに集約されます。

 

‘もしも事例’に戻りますが、その中の私は、

「できることなら温存したい、、、他の医師も同じ判断をされるのかな、、、意見を聞きたい」

これがセカンドオピニオンを希望する理由です。

 

となると、必然的に私は「できることなら温存したい、、、」という想いがベースにあるので、

「乳がんの温存手術に実績のある医師・病院」に的を絞って探していくことで、自分のニーズに合った、

効率のよいリサーチができます。

 

全国には「セカンドオピニオン外来」を設けている病院が数多くあります。

 

この外来が単体で設置されている病院もあれば、診療科ごとに対象となる疾患があり、セカンドオピニオン相談を設ける日時が指定されているところがあります。

流れをみていくと、

 

①事前に申し込みをする(要予約制:患者本人だけでなく、人数限定で家族同伴OK、家族からの相談も可)

②後日実施日・担当医 の連絡

③来院(前述の必要書類などを持参して)

相談(セカンドドクターより意見・見解を伺う)

ファーストドクター再受診。報告。今後について確認

(セカンドドクターからも、ファーストドクターへ文書で相談案件の情報提供)

(注:病院のシステムによって相違あり)

ファーストドクターのもとで手術(治療)を受ける。

or

セカンドドクターでその後フォローされることになれば、再度ファーストドクターより「紹介」という手続きへ

 

セカンドドクターとの相談の場面で ~スムーズにやり取りできるためのコツとは~

 

セカンドオピニオン外来の受診費は、保険診療ではなく「自費」となります。

 

病院によってこの「相談料」は雲泥の差、名の知れた私立大学系病院で、セカンドオピニオン外来を受診すると、相談時間1時間で4万円以上のころもあり、最低でも1万円以上が相場です。(高い!)

 

ですので、限られた時間を有効に医師との相談にあてるために、いくつか心得ておきたいコツがあります。

 

1)ファーストドクターから話された内容は(セカンドオピニオンの目的も)事前におさらいし、頭にインプットしておく。

 

2)「聞きたいこと」はあらかじめメモしておく。

 

3)「自分がどうしたいか」ということを焦らず言えるように、これも事前に整理しまとめておく。

 

4)できれば1人ではなく家族に同席してもらい、双方で医師の説明をしっかり記録しておく。(もれのないよう)

(そのときはふんふんとわかったつもりでも、家に帰ると内容をよく覚えていない、、、ということもよくあるため)

 

5)4)よりもさらに望ましいのは、できれば看護師資格がある親戚や友人に同席してもらう。

(医師の説明は専門用語なども多く、セカンドオピニオンの場合1つの質問に対して、多角的な説明をされる(丁寧にという意味で)ことが多いので、やり取りの潤滑剤の役目となり心強い(なかなかいませんかね )

 

6)セカンドオピニオンの場は、相談者が主役。恥ずかしがらず、わからないことは遠慮せずどんどん質問!

 

 

セカンドドクターの見解

 

(‘もしも事例’にもとえです。)

 

病院探しも無事に終わり、相談申し込みを経て、いよいよセカンドドクターとの面談です。

 

私の「できることなら温存したい、、、」という気持ちや質問のなかで、セカンドドクターは持参したさまざまな所見たちを一つずつチェックしつつ、丁寧に答えてくれます。

 

【例】

「乳がんの手術は、「全摘術」(乳がんのある乳房を全部とってしまう)と、「温存」とよく言われる「乳房の部分切除術」(乳房は全部なくならない。一部残される)があります。

 

あなたの場合…(おそらくここでファーストドクターから話された内容を復唱するように、私の病状説明がなされていくはず…)です。

 

乳がんは乳房から派生したがんでそれが全身へ大きく影響する心配もあるので、薬物や放射線を使ってさまざまな方法と組み合わせて治療を行っていくことになります。

(ここでも私に考えられる、治療法のお話がされると思います。)

 

温存が全く望めない状況ではないと思いますが、あなたのご家族歴からも遺伝性の懸念もあり…

(私の母と叔母も乳がんということにします。などなど、おそらくファーストドクターの方針のフォローも?されると思います)

 

まずは手術前に、がん細胞を小さくするための化学療法を試みてアタックして、それが功を奏す可能性もありますので、反応を見るという方法もあります。

 

やはり、全摘となってしまっても、見た目をもとに近づけるための「乳房再建術」で乳房を人工で作る方法もありますし、温存で一部だけ残った乳房の変形が問題になる場合もあるのですよ。乳房再建の場合は再建のプロの形成外科の先生とも連携を図ってフォローしていきますので…

 

というようにお話されたとします。

 

この説明の中の太字部分は、ファーストドクターの説明になかったか、不十分だったところです

私は、乳房再建の現状、温存の問題点を知ること、再度医師からメリット・デメリットの説明を聞くことで、

温存へのこだわりに変化も生まれ、セカンドオピニオンを受けることで気持ちの整理と確認をすることができたのです。

 

(医学説明は間違っていないです(と思います)が、‘もしも事例’はすべてフィクションです )

 

まとめ

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‘もしも事例’の結末は、セカンドオピニオンの良さをアピールして終わりましたが、なかには医師の見解の違いや、本人が最後まで落とし込めないことがあると、「病院はしご」をする方もみえます。

 

どんなに多くても「サードオピニオン」までです。

でないと、頭が混乱して、結局「どうすればいいの」状態になってしまいますので…

 

マイナス感情で受ける「セカンドオピニオン」を避け、有意義な「セカンドオピニオン」にするためには、

 

  • 理想は最初の段階で、信頼できる医師のもとへ受診すること。
  • 医師まかせで受け身にならず、自分も病気の知識を身につけること。
  • ちょっとした挨拶や会話も大切にしながら、医師との信頼関係を意識すること。

(そうすることで話しやすい雰囲気を作れる。=わからないことを聞きやすくなります!)

 

最後に…

なるほどな~と思った名文?、ちょこっとご紹介して本当に終わります。 

 

例えが適切ではないかもしれませんが、病院(医者)を決めるのは「お見合い」や「結婚」と似ています。

そのつもりで医者を決め、そのあとはその担当医とより良いコミュニケーションを保つように努めてください。

 

そうすることで医者の方も親身になって診てくれることになるでしょう。

 

(「専門医が語る 乳がん診療10の真実 (セカンドオピニオンという選択 の項より)」児玉宏 著書 抜粋・引用)

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