【熱中症予防の飲み物は何を飲むべき?】水分補給のタイミングと種類

段々と夏日になる日も増えてきて、夏が近付いてきましたね。

夏と言えば、海水浴やキャンプなどの屋外で楽しめるイベントが多くなりますよね。

注意しなければならないのは熱中症です。

熱中症は、誰しもがなる可能性のある疾患です。

 

しかし、それと並行してきちんと予防していれば回避できる疾患の一つでもあります。

この記事では、熱中症予防のための方法の一つである水分補給に焦点を当ててお話しします。

 

念のため、人が水分を失う量は個人差があり、同じ環境や状況に置かれていても同じ量の水分が失われるという事はほぼありませんので、目安となる事をご了承ください。

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熱中症とは

 

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気温が上昇してくると、必ずと言っていいほど“熱中症”の注意喚起がなされます。

では、熱中症とは何のことなのでしょうか。

 

環境省では、熱中症は

  • 高温環境下で、体内の水分や塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れたり、体内の調節機能が破綻するなどして、発症する障害の総称です。
  • 死に至る可能性のある病態です。
  • 予防法を知っていれば防ぐことができます。
  • 応急処置を知っていれば救命できます。

と発表しています。

  ※環境省 熱中症健康保健マニュアル2014 一部引用

 

水分補給の種類

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熱中症予防のためには、水分補給が最も重要であると言っても過言ではありません。

同じ高温の環境に置かれている方でも、水分補給の有無と種類によってそのリスクはかなりの違いが出てきます。

補給する種類は、電解質(イオン)・ミネラルを含んだものが良いとされています。

 

では、電解質とは何のことで、何故摂取することが好ましいとされているのでしょうか。

 

  • 電解質濃度

陽イオン(mEq/l) Na+:○/ K+:○/ Ca2+:○/ Mg2+:○

陰イオン(mEq/l) Cl−:○/ citrate3−:○/ lactate−:○

 

これは、あるスポーツ飲料に含有されている電解質の種類です(濃度は飲料特定のため伏せてあります)。

 

電解質は、細胞の浸透圧を調節したり、筋肉や神経などの各組織の細胞の働きに関わったりと、私たちの身体にとって重要な役割を担っています。

※浸透圧とは、血管内の血液と各細胞を水分が行き来するために必要な圧の事です。

 

水分を多く含んだ野菜を塩もみすると、野菜の中の水分が外に出て、体積は少なくなりますね。

 

これは、野菜に含まれる水分の塩分より、

かけられた塩のほうが塩分濃度が高いために起こる現象です

(つまり、野菜が脱水を起こした状態言えます)。

 

電解質は少なすぎても多すぎても筋肉、神経などの機能に支障を来たし、生命が危機にさらされる危険性があります。

主な電解質には

  • ナトリウム(Na)
  • カリウム(K)
  • クロール(Cl)
  • カルシウム(Ca)
  • マグネシウム(Mg)

があり、身体に必要な栄養素である5大栄養素のミネラルに属します。

 

次に、お茶はどうでしょうか。

 

お茶の中にも電解質は含まれています。

しかし、筆者が調べたところ、お茶に含有された電解質濃度を示す資料は無く、

電解質よりもお茶が身体に良いと謳われるカテキンやカフェイン、ビタミンの情報が多くなっていました。

 

ミネラルの含有を謳っているお茶もありますので一概には言えませんが、

お茶の摂取により身体機能に期待される効果が、

電解質よりもカテキンなどの成分の方が高いことが予測できます。

 

では、水そのものはどうでしょうか。

 

最近では、いろいろな種類の製品が増えましたが、その違いはなんなのでしょうか。

種類詳細ミネラル含有の

有無
ナチュラルウォーター自然の水源の水で、いわゆる天然水の事です。

加熱・殺菌・濾過以外の作業は禁止されており、ミネラル含有の有無は問われません。

物によってはミネラルが含まれていないという事ですね。
ナチュラルミネラル

ウォーター
自然の水源の水です。

加熱・殺菌・濾過以外の処理はされておらず、地層や岩石のマグネシウム、鉄が含まれています。
ミネラルウォーターナチュラルミネラルウォーターに、他の水やミネラル成分を人工的に含有させたものです。

とあるナチュラルミネラルウォーターの成分を調べたところ、マグネシウムとカルシウムが含有されていました。

 

また、軟水硬水がありますね。

現代では輸入品が充実していますが、日本は軟水、ヨーロッパは硬水が多いとされています。

WHOによると、

マグネシウムとカルシウムの含有量が120mg/L以下が軟水

120mg/L以上が硬水と定義されています。

 

スポーツドリンク、お茶、水を例として挙げましたが、含有される電解質の項目に違いがあることに気づきます。

製品により含有項目や量は異なりますが、スポーツ飲料が好ましいという事が分かります。

スポーツ飲料には糖分も含有されていますので、脳の唯一の栄養素であるブドウ糖も摂取できることから、科学的にも水分補給に最適であることがわかります。。

 

また、ここで牛乳が熱中症に良いとされる情報も出ていますので、その点についても触れておきたいと思います。

 

牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品には、アルブミンと呼ばれる成分が含有されています。

このアルブミンには、血管の外にある細胞の水分を血管内に吸収すると言う働きがあります(つまり浸透圧ですね)。

その働きを利用して、血管内脱水を改善させ発汗を促す効果が期待できます。

 

ここからは筆者の考えですが、

確かにアルブミンを積極的に摂取して汗をかきやすくすることは効果的であると思います。

何故なら、発汗による気化熱で体温が正常に保たれれば熱中症になることを予防できるからです。

 

牛乳の摂取を否定するわけでは決してありませんが、

熱中症とは発汗により電解質バランスが崩れることが一因となっていますから、

アルブミン摂取で発汗を促す(つまり、電解質が失われる事)ことに加え、やはり電解質を補給することも重要だと考えます。

 

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水分の摂取量とタイミング

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熱中症予防のために、水分を小まめに摂りましょう、と聞くことが多いと思います。

では、一体どれだけの量をどのくらいの間隔で摂取すればよいのでしょうか。

 

こまめに水分補給をとよく言われても、実はその目安はあまり明確にはなっていません。

理由としては、個人差が非常に大きいことが挙げられます。

 

その前に私たちは一日にどれくらいの量の水分を排泄しているかを説明いたします。

 

まず、私たちが24時間で排泄する水分の大部分を占めるのは尿です。

 

人は水分を摂取しなくても、正常な生理機能の場合、

1時間に体重×(ml)の尿が作られるとされています。

(例:50kgなら50ml、100kgなら100ml)

 

例の50kg=50mlに加えて、発汗量を20ml/時と仮定すると、

50+20=70

一時間で最低70mlの水分が無意識に膀胱内に排泄される計算になります。

これが100kg=100mlに加え発汗量が100mlとしたら、200mlが排泄されることになります。

 

さらに、私たちは発汗量以外にも水分を失っています。

 

これを不感蒸泄と言います。

  • 唾液
  • 粘膜保護のための水分

などがそうです。。

 

この不感蒸泄は24時間の間に成人で800ml/日だと言われています。

ただし、新生児から小児は、汗腺の発達状態により変わり、また基礎代謝が成人よりは高くなり、

一方で老年期における人は、基礎代謝が低く、また体温調節機能も老化しているため、不感蒸泄量は低くなります。

このように年齢や体質によって、この量は大きく変化するので不感蒸泄の量の判断は難しいとされています。

 

以上が外に出る水分です。

 

単純に説明すると、出た水分を同じ量だけ補えば、脱水症状などの水分不足にはならないわけです。

 

次に、水分補給として意識されていないことが多い水分量についても触れておきます。

 

私たちは毎日食事をします。

食事の量、回数、質は個人差があるため一概には言えませんが、

例えば、あまり水分が含まれているイメージがない食パンは、重さの15%は水分です。

 

このように、スープや煮物など明らかに水分が含まれていないものにも意外と水分が含まれています。

 

また、私たちの細胞が生命を維持するために行う代謝にも、副産物としてH2O(水)が発生して再吸収しています。

以上をまとめると、以下のような目安となります。

一日の水分摂取量 一日の水分排泄量 
水・お茶など800-1300ml尿1000-1500ml
食事に含まれる水分1000ml便200ml
代謝による副産物200ml不感蒸泄800ml
合計2000-2500ml合計2000-2500ml

この表は、医療の現場でも比較的多く使用されている目安のひとつです。

 

この他に、その時の体調も考慮するべきで、

  • 発熱で発汗量が増えている
  • 下痢が続いている
  • 便秘が続いている
  • 月経中である

上記のような場合などは、水分が失われる量も増量しますから、摂取量も増やす必要があります。

 

水分摂取の回数を、

  • 起床時
  • 朝食時
  • 昼食時
  • 夕食時
  • 就寝時

上記の他に帰宅後や休憩時間も加えると、皆さん一日に6回以上にはなるのではないでしょうか。

 

仮に6回だとすると一回200ml程度となります。

胃が一度に吸収できるのは250ml未満とされていますので、理想の一回飲水量と言えます。

この量を起床時から就寝時までに分割にて摂取することが望まれます。

 

しかし、これからの季節は上記の水分排泄量よりも、発汗による不感蒸泄量が増加することが予測されます。

故に、プラス500ml程度の水分を分割して加えるのがよいでしょう。

先にもお話ししましたが、胃が一度に吸収できる水分は250ml以下程度なので、仕事などで長時間飲むことができなかったからと言って、例えば500mlを一気飲みすることは好ましくありません。

胃に負担を掛けるだけでなく、吸収されずにほぼ半分は尿として排泄されてしまいますから、その場合は休憩時間の始めと終わりに摂取する、またはすぐ摂取できるよう仕事中も傍に置いておくなどの対応を取ってみてくださいね。

 

その他の注意点

摂取量、タイミングなどの他にも注意点をお伝えしたいと思います。

 

  • 食べ物

夏はいつも通りの食事より、さっぱりしたもの、すっぱいものなどが食べたくなりますね。

辛いものが食べたくなる方も、多いのではないでしょうか。

辛み成分の一つであるカプサイシンは、交感神経を優位にして発汗を促す作用があります。

その分発汗量が増えますので、追加の水分補給も忘れずにしてくださいね。

 

また、特に生の果物に見られますが、カリウムという電解質が多く含有されています。

冷たい果物で涼を取りたくなるところですが、電解質バランスが一時的に傾き、尿量が増えますので、同様に追加の水分補給をしてくださいね。

 

  • 飲み物

特に利尿作用(尿を出しやすくする)がある飲み物にも注意が必要です。

  • 紅茶
  • コーヒー
  • アルコール
  • トマトジュース

など、成分により利尿作用がある場合は、水分が吸収されることなく尿となりやすいので、ほどほどの量にするか、追加の水分を摂取することをお勧めします。

 

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おわりに

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いかがだったでしょうか。

熱中症予防には、水分の摂取が必要不可欠です。

子供は遊びに熱中して水分補給を忘れたり、また高齢者は活動時間が短いからと水分摂取をしなかったりする傾向があります。

水分の種類、量の目安を是非取り入れていただき、これからの季節を安全に過ごしていただけたらと思います。

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