【子供が熱中症になっても焦らない】親がするべき症状別の対処リスト

段々と気温が高くなる日が多くなってきましたね。

これからの季節、注意して頂きたいのが熱中症です。

 

熱中症は、罹患すると大人でも生命の危機を脅かされることになりかねません。

お子様がいらっしゃる方、お孫さんがいらっしゃる方もおられると思います。

熱中症に限ったことではありませんが、小児は成人と比較して治癒・回復能力が高いといわれています。

 

しかしそれは同時に、疾患の進行と悪化も早いといえるのです。

熱中症により、小学校で救急車を要請するまで悪化した例が出る原因の一つとしても、上記の理由が挙げられます。

この記事では、熱中症の中でも小児に焦点を当ててお話ししたいと思います。

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はじめに

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  • 小児とは

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小児と成人では身体の大きさはもちろん、いろいろな身体能力が異なっています。

また、医療の現場でも

  • 小児
  • 乳児
  • 幼児
  • 児童
  • 少年

と別れており、これを成長発達とよびます。

 

この記事では、前提として赤ちゃんと呼ばれる新生児・乳児より上の年齢、1歳から満12歳までを対象とし、お話をしていきます。

理由として、バイタルサインと呼ばれる心拍数や血圧などの数値が大人と異なることが挙げられます。

 

  • 熱中症とは

熱中症には明確になっている定義はありません。

熱中症の注意喚起を促している、最大規模の組織の一つである環境省は、

  • 高温環境下で、体内の水分や塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れたり、体内の調節機能が破綻するなどして、発症する障害の総称です。
  • 死に至る可能性のある病態です。
  • 予防法を知っていれば防ぐことができます。
  • 応急処置を知っていれば救命できます。

※環境省 熱中症健康保健マニュアル2014 一部引用

と発表しています。

ここでポイントとして是非押さえて頂きたいのは、

高温環境下とは(年齢に関わらず)対象により様々であこと、

●友達と公園で遊ぶ、体育の授業がある、海水浴など屋外イベントで熱中、集中しやすい傾向にある、という事です。

 

小児の熱中症に罹患しやすい理由と症状

子供は成人と比較すると熱中症に罹患しやすい傾向にあります。

以下にその理由を挙げます。

  • 体温調節機能が未発達であり、汗をかくことによる気化熱で体温を下げることが難しい。
  • 全身の細胞に含まれる水分量が多いため、外気温の影響を受けやすい。
  • 目の前にあるもの、楽しい事に熱中しやすく、促されないと休息や水分をとることを忘れがち。
  • 飲み物の嗜好性が強い場合、有効的な水分補給が出来ていない。

以上の原因が挙げられます。

 

では、一つずつ解説していきますね。

 

  • ヒトは、脳の間脳に位置する視床下部で体温調節を行っています。

もちろん小児にも体温調節機能は備わっていますが、まだ発達の途中です。

寒冷地で成長すれば比較的寒さに強く、温暖な地域で成長すれば比較的暑さに強いように、その環境に順応するように発達します。

 

しかし、生まれて1~12年しか経過していないと、温度差を経験する回数が必然的に少なくなりますから、暑いから汗をかいて熱を下げよう、と順応するのは難しいのです。

故に、身体の熱をうまく発散することが出来ず、熱中症に罹患しやすいことになります。

 

  • ヒトは、生まれてから徐々に水分を細胞に保持する力が少なくなっていきます。

赤ちゃんの頬が弾けんばかりなのも、ヒトとしての特徴です。

通常、気温や室温と体温の差により汗をかき、体温を平熱に保つのですが、①の通り体温調節中枢が未発達です。

それに加え細胞内の水分が多いと、ちょうど良い量の汗をかき過ぎてしまい脱水を起こしやすくなるのですね。

 

また、小児は新陳代謝がよく、睡眠中の発汗も多いため、特別運動などをしていなくても注意が必要です。

 

  • この項に関しては言葉の通りです。

筆者も、遊びに夢中になっていたら帰宅時間に遅れてしまい、叱られた経験があります。

この例えは熱中症には無関係ではありますが、このように熱中していると期間が経つのを忘れてしまう、目的が目の前にあると忘れ物をしてしまう、と言った傾向にあります。

特に鬼ごっこやスポーツなど必死になる遊びに関しては、わざわざそれを中断してまで自発的に「熱中症になるから水分を摂らなくちゃ!」とはなりにくいと考えられます。

 

もちろん、この年齢は物事に集中して取り組む姿勢を培う、将来に向けて大切な時期でもあります。

しかし、その分熱中症のリスクは高くなる傾向にあります。

 

  • この項に関しても、言葉の通りです。

小児は比較的嗜好性が強い傾向にあります。

熱中症予防と対策のためには、体液の成分に含まれるナトリウムやカリウムを含有した、いわゆるスポーツ飲料です。

スポーツ飲料には特別苦味成分などは含有されておらず、臨床でも嫌いと言う声は聞いたことがありません。

 

しかし、スポーツ飲料よりは炭酸飲料やジュースが好き、という小児も少なくないのではないでしょうか(もちろん、スポーツ飲料のみの摂取を勧めている訳ではないのでご安心くださいね)。

先にもお伝えした通り、あえてスポーツ飲料を摂取することが大切なので、記載させていただきました。

次に、熱中症の症状についてお話します。

熱中症重症度症状の一例対処法
Ⅰ 度●手足がしびれる
●めまい、立ちくらみがある
●筋肉のこむら返りがある(痛い)
●気分が悪い、ボーっとする
涼しいとこで一休み。

冷やした水分・塩分を補給しましょう。

誰かがついて見守り、良くならなければ、病院へ。
Ⅱ 度頭ががんがんする(頭痛)

●吐き気がする・吐く

●からだがだるい(倦怠感)

意識が何となくおかしい
Ⅰ度の処置に加え、衣服を緩め、積極的に冷やしましょう。
Ⅲ 度意識がない
体がひきつける(けいれん)
呼びかけに対し返事がおかしい
真直ぐに歩けない・走れない
体が熱い
救急搬送


※環境省 熱中症健康保健マニュアル2014 一部引用

 

これは、多くの医療機関で採用されている熱中症の重症度を示す表です。

小児と成人では、症状に違いはないとされています(つまり、おおよそこの表通りの症状が認められるという事です)。

小児において注意すべき点は、

①成人と比較して、重症化が速い

②自分で症状をはっきり伝えることが出来ない

という事です。

 

解説させていただきますね。

 

  • 先にもお伝えした通り、小児は重症化しやすい傾向にあります。

新陳代謝が活発であり、脱水が急速に進む可能性があるからです。

また、身体機能が未発達のため、体温上昇、脱水状態への防御機能が働きにくいことが挙げられます。

 

  • これは、特にお子様が体調を崩されたときに実感されたことがある方もおられるのではないでしょうか。

小児は、体調不良の経験が少なく自分の変化が分からない、または恐怖心によりうまく症状を伝えることが難しい可能性があります。

 

例えば、「痛い。」と言われても、お腹なのか頭なのか分からないですね。

それに加え、熱中症の症状の一つに意識障害が挙がります。

これは、問われている意味を理解できない、訴えたくても訴えられないなどの状態を意味します。

このように説明してしまうと、これからの季節に一層の不安が生じてしまいますよね。

 

次の項で、対処の方法をお話ししますので、是非ご一読ください。

 

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親を始めとする、周囲の大人の対応

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熱中症は、予防できればそれに越したことはありません。

しかし、一日中お子様と一緒に過ごし、見守り続けるのは容易なことではありませんし、成長発達段階的にも好ましい事ではありません。

十分に注意していても、100%防げるという事はなく、やはり熱中症になってしまったときにいかに迅速な対応ができるかが非常に大切です。

重症度はⅠ、Ⅱ、Ⅲ度となっていますがこれでは分かりにくいので、大きく分けて血流系と脳神経系に分けてお話しします。

 

  • 脱水と血流系

主に、表中の下線の症状です。

熱中症による血流障害とは、きっかけは脱水による血液量の減少によるものです。

汗や尿などの身体から分泌される液体は、血液から出来ています。

熱中症になるという事は、脱水を引き起こしています。

 

つまり、血液全体から汗の分が減ってしまうのです。

ヒトは、体重によっておおまかな血液の量が決まっているのですが、過剰な汗を分泌すると、結果的に血液の総量が減ってしまうのですね。

 

また、同時に体温が上昇しているので、血管の正常な反応として血管が広がります(逆に、冷え症では血管が収縮しています)。

そうなると、一時的な貧血のような状態になり、しびれ、こむら返り、立ちくらみ・めまいなどが起こります(つまりⅠ度ですね)。

この時点では、まずは涼しい環境に移動し、電解質を含んだ水分を飲ませます。

 

恐らく意識ははっきりとしている場合が多いですから、

Ⅱ度の症状が無いかを「吐きたくないか。」「歩くのがかったるくないか。」などの問いかけで確認します。

 

次に、発見した時点で嘔気・嘔吐がある、歩行困難な場合です。

この場合、一時的だった貧血が消化管に影響を及ぼしている状態であり、Ⅱ度に当たります。

 

この状況では、一気に水分を補給させると更に消化器官に悪影響となるので、必ず一口に一呼吸程度のペースで飲ませてください。

飲ませる量ですが、基本は1時間に100-150mlです(胃の吸収機能の関係です)。

 

しかし、涼しい環境で安静にし、水分をゆっくり補給すると意外と軽快することがあります。

その場合は飲ませていただいて大丈夫だと考えますが、やはり涼しい場所で安静にしていてください。

 

また、嘔吐した場合は焦らずに身体を横向きにして安静にすると同時に、ベルト、ボタンなどを開けて多少でも血流を阻害させないようにしてください。

食後1-2時間であれは、吐物で窒息する可能性があるので、それを予防します。

吐き終わっても水分が取れない場合は、受診するか、呼びかけに少しでも異常を感じたら救急車を要請してください。

 

身体がだるいと言う場合は、貧血により細胞が代謝した際の老廃物が蓄積した状態なので、同様に水分を補給し脱水の改善に努めてください。

 

Ⅲ度の全身の痙攣ですが、この状態になったら呼吸が停止する可能性が高いため、すぐに救急車を要請してください。

 

可能であれば涼しい場所に移動した方が良いですが、反射である痙攣は予測できない動きと筋緊張があります。

その為、移動時に転倒・転落の可能性が少しでもある場合は、移動はせずにその場で体を冷やす、日傘やパラソルなどで日陰を作るなどの対応をしてください。

 

  • 脱水と脳神経系

主に、表中の太字の部分の症状です。

熱中症による脳神経障害とは、きっかけは脱水による体温上昇、体温上昇による体温調節機能の故障です。

まず、脱水により体温が上昇します。

脱水を併発していますので、更に体温は上昇を続けます。

すると、未熟な体温調節機能は容易に機能を失い、体温が上昇を続けます。

 

Ⅰ度のボーっとするのは、脳への貧血もありますが、体温が上昇を続けている指標にもなりますので、まずは涼しい場所で、上記のような水分の補給をしてください。

次に、頭痛と意識障害ですが、Ⅰ度が悪化したものと考えられます。

同様に水分を補給し、必ず付き添ってください。

可能であれば、トイレなど一時的に席を外す場合も、他の人に付き添いを交代してもらってからが好ましいです。

本人の名前を呼んだり、簡単な質問をしたりして、意識の状態を確認し、おかしいと思ったら救急車を要請してください。

 

次に、Ⅲ度の状況ですが、明らかに日常生活では見られない状況です。

周りに助けを求め、救急車を要請してください。

嘔吐が無ければ仰向けにし、肩をたたくなどして呼名します(大きく揺らすことのないようにしてくださいね)。

反応が無ければ、首の動脈を触って、拍動の確認をします。

 

また、同時に胸(胸かく)の拳上を確認し、息が止まらないか、止まっていないかを確認します。

双方がなければ、心肺蘇生を行わなければなりません。

少々怖い話になってしましましたが、熱中症は悪化すると命を落とす可能性がある疾患です。

 

また、救急車を要請したら、到着までは周囲の大人の対応が非常に重要になります。

身内の方は、特に気が動転する可能性が非常に高くなることが予測されます。

お子様がおらずにこの記事を読んで頂いている方がおられたら、是非印象に残していただければと思います。

 

回復した後の生活

軽快後の対応ですが、基本的には風邪などの感染症で高熱を出した時と同様にとらえていただいてよいと思われます。

 

まずは、すぐに遊びには行かせず(屋内での遊びは状況によっては良いと思います)、食事は消化に良いものがよいですね。

 

特に、熱中症重症度のⅡでは、血行動態の影響が消化管まで達していますが、症状が改善して何時間後に機能が回復している、という明確な情報はありません。

気分不快が無いことを前提に、おかゆなどを食べさせて、嘔吐や胃痛が無いことを確認します。

 

次に、お通じがきちんとあることを確認します。

通常、胃に入った食事はおよそ48時間後に排泄されます。

よって、例えば朝食が翌日の朝に排泄されるとは考えられませんが、腸管が弱っていれば下痢や便秘の症状が出る可能性が少なくありません。

それが問題なければ、通常のお食事で問題ないと言えます(すごく辛い物や揚げ物などは、徐々に食べさせるほうが安全です)。

 

消化器官は、残念ながら目で見ることが出来ません。

客観的には、嘔吐や排便の状態でしか確認できませんので、是非気にしてくださいね。

 

また、入浴(湯船につかること)ですが、可能であれば当日は控えた方が良いですね。

実は、入浴は水圧によって血流に負担を掛けています(これは大人も子供も同様です)。

熱中症では少なからず血流に問題が生じているため、思わぬ悪化を招く可能性があります。

身体に負担をかける可能性がある行為は、極力避ける必要があります。

 

どうしてもお子様の汗が気になる場合や、例えば女の子のお子様でご本人が学校に行くのに抵抗があると言った場合は、シャワー浴を短時間で済ませたり、翌朝にシャワー浴をさせたりして頂いても良いですね。

 

Ⅲ度の場合、救急搬送されている筈ですので、退院後の生活は医師に確認してくださいね。

恐らくほぼ万全な状態で退院するとは思いますが、年齢や精神的ストレスで、入院でなく自宅での療養の方がお子様によって良いという治療方針になった場合も考えられなくはないので、必ず確認することをお勧めします。

 

おわりに

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いかがだったでしょうか。

お子様の体調不良は、両親を始めとする周囲の大人にとって、非常に心配な問題です。

熱中症になってしまった場合や、周囲のお子様が熱中症を起こした場合に、少しでもお役にたてたらと思います。

これからの季節、イベントを楽しく、安全に過ごしていただけることを願います。

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