【仕事中に熱中症になるリスク】現場仕事や農業の注意点と労災認定

段々と暑い日が多くなってきましたね。

この記事を読まれている皆様は、体調不良などを起こしてはいないでしょうか。

夏と言えば、熱中症の危険がある季節ですね。

この記事では、熱中症を引き起こしやすいご職業を中心に、熱中症との関係をお話しします。

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熱中症とは

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熱中症はご存知の通り、暑い季節に起こる代表的な疾患の一つです。

熱中症にも種類があり、主に農業や土木作業などの直射日光に当たることで引き起こる日射病と、建設中で冷房設備がなく熱がこもりやすい半屋内なような場所で引き起こる熱射病があります。

熱中症は気温を重視しがちですが、ある指標では気温よりも湿度を重視しており、どちらも非常に重要となってきます。

 

その理由は後述します。

業務中は、集中する作業が多く、またその作業全体の計画もあり、軽度の症状を軽視したり、我慢したりすることが予測されます。

 

また、年齢が比較的高齢であると予測される農業に携わる方は、症状が悪化しやすい傾向にあります。

熱中症は、軽度であれば比較的容易に回復でき、作業に戻ることも可能です。

 

しかし、気づかなかったり我慢したりしてしまうと最悪死につながる可能性もありますので、是非ご一読いただけたらと思います。

 

屋外の熱中症の危険性(主に日射病)

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この項では、農業や屋外での建設業、営業回りなどをされる方の熱中症についてお話しします。

 

このようなご職業の方は、主に日射病の危険があり、様々な職業の中でも特に注意が必要だと考えています。

 

理由としては、屋外で作業することにより大量の汗をかき、特に建設現場の方々は安全確保のため長袖・長ズボンの衣服を着用している点が挙げられます。

ヒトは、直射日光を浴びたり力作業などで体を動かしたりしていると大量の汗をかきます。

 

ご存知の方もおられると思いますが、汗をかくと水分と一緒に電解質と言われる物質も失われます。

電解質と言うのは、ナトリウムやカリウムと言った、骨格筋の代謝などに不可欠な物質です。

ヒトが筋肉を動かしたり消化を行ったりするには、細胞の代謝が必要です。

 

この細胞の表面には、チャネルと言う出入り口があり、このチャネルからナトリウムやカリウムが出入りすることでその役割を果たしています。

仕事をするために手足を動かすのも、物事を考えるのも細胞の代謝が必要ですし、心臓も、心筋という筋肉を動かすことで正常な働きをしています。

大量の汗をかき電解質を失うという事は、失った分を補充しなければ身体に何らかの支障を来たすという事です。

 

補充するためには、日常生活では口から摂取するしか方法がありません。

飲料として一番お勧めなのはスポーツ飲料です。

大量の汗をかくことを前提に開発されていますから、電解質の補充には最適と言えます。

 

⇒水分補給の記事とは?

 

また、スポーツ飲料の中には脳の唯一の栄養素であるブドウ糖も含有されていますし、疲労回復に効果的なビタミンやクエン酸が含有されている製品もあります。

成人の胃の吸収は1時間に250mlと言われていますが、水分は余分に摂取しても身体に悪くはない(一気に2Lなどの過剰摂取は他の疾患のリスクがあるのでご注意くださいね)ので、汗の分も計算に入れると1時間に350ml程度は摂取することが好ましいと考えます。

 

また、中には生活習慣病で塩分や糖分の制限を勧められている方もおられると思います。

糖分や塩分が過剰に含まれていないものには、ミネラルを含有した麦茶などが挙げられますが、その時はご自分のためにも是非医師にご確認いただくことをお勧めします。

 

他には、塩分そのものを摂取したり、塩分の高い食事を摂取したりする方法もあります。

 

筆者の父は、建設業の中でもサッシを扱う仕事をしています。

スポーツ飲料や麦茶を持ち歩いていますが、現場の休憩所に塩の塊が置いてあると教えてくれました。

飲料によっては失う塩分の方が多い可能性がありますから、有効であると言えます。

同じ理由で、塩気の多い漬物や味付けが濃い食事も有効であると言えます。

 

しかし、濃い味付けや塩分に舌が慣れてしまい、普段の食事も塩分を摂りすぎる可能性があり、生活習慣病のリスクが挙がる可能性もあります。

父は、30年近く同じ方法で夏を乗り切り健康診断は優良ですが、筆者はやはり飲料での摂取をお勧めします。

 

室内の熱中症の危険性(主に熱射病)

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筆者が予想する職業には、建設業の中でも塗装をされたりする方が当てはまると考えます。

他にも、高温・多湿な環境や、冷房設備がなく風などを送ると業務に支障が出るご職業の方も是非ご一読ください。

上記のようなご職業の方が熱中症に罹患しやすい原因は、高温・湿度により汗をかいても揮発せずに体温が上昇しやすい事、安全のために長袖・長ズボン、ヘルメットを着用しているが挙げられます。

 

⇒室内の熱中症の危険性

 

ヒトは、脳の間脳と言う場所にある視床下部に体温調節中枢を持っています。

生理的反応として、体温の上昇を感知すると汗をかくようにします。

その汗が、風に当たるなどして揮発し体温の上昇を抑えたり、下降させたりするように働きます。

私たちは、上記の働きがあることで平熱を保っています(インフルエンザなどの感染症の時は少し異なりますのでご了承ください)。

 

先に挙げたご職業などの場合、高温な環境と業務の負担で汗をかくことは出来ますが、換気が悪く湿度が高くなったり、業務上風を取り入れることが困難であったりすると、汗が揮発することが出来ません。

すると、汗をかくことにより電解質は失われ、更に揮発できずに体温が下降できないと言う悪循環が引き起こります。

 

また、安全上先に挙げたような格好で業務をされていることが予測されますから、普段Tシャツなどで過ごす時と比較すると、更に熱がこもりやすい環境であると言えます。

汗の揮発は汗の量と湿度の差でも起こります。

 

コンクリートに囲まれ冷房設備がなく、更に人口密度が上がるにつれて、更に湿度が上昇すると言う悪循環も引き起こり、熱中症に罹患する可能性は高くなっていきます。

この場合の対処法としては、小まめな休息と水分補給に加え、小まめな着替えや乾いたタオルで余分な汗を拭きとることが必要です。

 

水分補給は、先にお伝えしたことをご参照ください。

 

小まめな休息ですが、この場合はその作業現場から環境を変えることをお勧めします。

例えば1時間に1回休息を取っても、高温・多湿の場所から離れなければ効果がありません。

 

例えば、夏場に車に乗り込むことをご想像ください。

外も暑いと思いますが、外に駐車してあった車のドアを開けただけでも熱気が強く、状況によっては冷房が効き始めるまでとても乗っていられない時がありますよね。

この例は少々極端ですが、作業現場でも同じ現象が起こっている可能性が考えられます。

 

気温が高くても屋外などの風通しの良いところや、可能であれば冷房が完備されている所に移動してください。

それと同時に、身体の汗を拭きとることもお勧めします。

汗が滴っていると、効果的に揮発できません(びっしょり濡れた洗濯物よりも、きちんと脱水された洗濯物の方が短時間で渇きますね)。

汗を拭きとり、可能であれば1日のお仕事で着替えもできるとより効果的です。

 

また、衣服ですが、普段の作業着などの下に吸水性と速乾性に優れたシャツなどを着用することもお勧めです。

汗を吸いとるとぺたっと身体についてしまう素材だと、やはり汗の揮発を妨げますので、作業用やスポーツ用の素材が好ましいですね。

 

また、首や背中などを冷やすのも効果的です。

首(他には足の付け根やワキの下)には動脈が通っていますので、重点的に冷やすことで、体温の下降が期待できます。

背中は上記のような医学的な効果はありませんが、皮膚の面積が広いので、例えば休憩中に背もたれに寄りかかるときなどにこもる熱気を防止でき、清涼感を得ることが期待できます。

このような予防と対策で、熱中症に罹患するリスクを下げることが可能です。

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農作業などの熱中症

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この場合、屋外畑仕事などの作業の時は2項が、屋内での例えば仕分け作業などは3項が当てはまります。

特に注意して頂きたいのは、働く方のご年齢です。

農作業をしている方が皆様ご高齢だとは限らないことは承知しておりますが、やはり年齢層は他の職業と比較して高い現状があります。

ヒトの生理機能は、子供からご高齢者まで基本的には同じです。

 

しかし、年齢が若ければ機能が未発達であり、年齢が上がるにつれて機能が衰えてきます。

これは、個人差はあっても全員に当てはまる事です。

熱中症の場合、まずは身体が「暑い」と感じて汗をかくことが大切です。

 

しかし、生理現象である機能の衰えで暑いと感じるまでに時間がかかったり、汗をかく量が減少したりします。

汗をかかなければ電解質を失う事はありませんが、汗をかけなければ体温の調節をすることが出来ません。

この場合、休息の回数を増やしたり、1回の休息の時間を長くとったりすることが大切と言えます。

 

また、衣服での調節も重要です。

長袖を重ねるのではなく、半そでにアームカバーを重ねるなどの工夫が大切です。

更に、成人と比較して汗をかきにくいと言っても汗はかいていますし、労働したり日光を浴びて体温が上昇したりすると必然的に代謝が上がりますので、やはり水分補給が必要です。

スポーツ飲料が用意できなかったり、味が好まれなかったりする場合は、水ではなく麦茶などの自然の電解質が含まれたものを摂取することをお勧めします。

特別「のどが渇いた。」という自覚がない場合にも積極的に水分を摂取することで熱中症対策になりますので、是非取り入れてくださいね。

 

熱中症と労災

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熱中症に罹患してしまった場合、労災が適応となる場合があります。

 

《一般的認定要件》
  • 業務王の突発的又はその発生状態を時間的、場所的に明確にし得る原因が存在すること
  • 当該原因の性質、強度、これらが身体に作用した部位、災害発生後発病までの時間的間隔等から災害と疾病との間に因果関係が認められること
  • 業務に起因しない他の原因により発病(または増悪)したものでないこと
《医学的診断要件》
  • 作業条件及び温湿度条件等の把握
  • 一般症状の視診(けいれん、意識障害等)及び体温の測定
  • 作業中に発生した頭蓋内出血、脳貧血、転換等による意識障害等との鑑別診断

 

上記の要件のどちらかを満たしている必要があります。

判断として少し難しいですね。

一般的認定要件では、「その仕事は熱中症を起こしうる条件だったのか、その症状は本当に熱中症だったのか(他の病気ではないのか)。」という事です。

医学的診断要件では、「作業場の温度と室温が分かっているのか、熱中症と診断できる身体の所見はあるのか、他の病気で同じ症状がでていないか。」という事です。

 

また、熱中症を労災扱いとするには中小企業では比較的少ないそうです。

理由として、労災としてしまうと対策を取らねばならず、必要経費が大幅に増額したり、業務上対策が取れないような場合に業務停止になったりする可能性があるからだそうです。

軽度の熱中症の場合は個人の対策強化でも対応ができるかもしれません。

 

しかし、意識障害や痙攣が出現した場合、後遺症が残り日常生活に支障を来たす恐れや、最悪の場合死に至る可能性も十分に考えられます。

事実、毎年300人ほどが救急搬送され、20人は死亡しています。

 

また、熱中症による労災は、過去に遡って申請することが可能な場合もあるそうなので、必要な場合は弁護士に相談することも一つの方法と言えるでしょう。

 

おわりに

仕事は、例えば趣味などと違って自分だけのペースで作業を進めることが困難な状況が多いと思います。

しかし、正確な業務の遂行や判断は、心身ともに健康な状態でこそベストな状態でこそ発揮できると思います。

 

少しの体調不良ではなかなか欠勤することが出来ず、無理をしなければならない時もあると思います。

熱中症は、重症化すれば命を落とす可能性が大いに予測できる疾患です。

どうかご自愛いただき、この記事が少しでもお役にたてればと思います。

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