家族性乳がんとは?遺伝性乳がんとの違いとリスクを減らす4つの方法

今女性にもっとも注目されている病気「乳がん」。。。

そのきっかけになっているのは、30代の若さであるにも関わらず乳がんになってしまった小林麻央さん、、、

 

とくにまだ乳がんを警戒していなかった若い世代の女性に衝撃を与え、ますます関心が高まっています。

 

ただでさえこのようなトピックスは不安と恐怖心をかきたてられますが、

なかには具体的に

 

「もしかしたら自分も乳がんになるかもしれない。。。」

と、より大きな不安をかかえている女性がいるのも事実でしょう。

 

それは、「母親が、または姉(妹)が乳がん、、、」という、ご家族の中で乳がんにかかった方がいる女性です。

「がん家系」という言葉を一度は耳にしたことがあると思いますが、親族が同じ病気にかかっている家族歴を懸念する声も実際にあります。

 

では家族性・遺伝性乳がんに関し、不安をできるだけ増強させない心得とともにお話していきたいと思います。

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はじめに―「家族性がん」と「遺伝性がん」について

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これらの言葉はともに同じような意味で使われることが多いですが、少し補足しておきます。

 

先ほど例にした「がん家系」はいわゆる「家族性がん」を指します。

 

同じ臓器のがんを複数の人が発症している場合をいい

この発症には「生活習慣」「環境」「遺伝」の3つ要因が基本となっています。

 

遺伝要素のみが強く影響しているというよりも、同じ生活環境や習慣も原因となり絡み合っているのが、「家族性がん」となります。

一方、遺伝性がんは、生まれつき持っている特定の※遺伝子変異によって起こるがんですので、「家族性がんの一部分」と理解します。

 

※遺伝子変異とは・・・発がん性の物質などの影響で、遺伝子DNAに大きな異常、特異な変化が起こり、遺伝子が正常に機能できなくなること

 

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女性なら知っておきたい「遺伝性がん」のこと 遺伝性がん・卵巣がんのすべて

市川喜仁(独立行政法人国立病院機構・霞ヶ浦医療センター医師)

参考書籍・図表(一部引用)

 

 

乳がんの約95%は、『遺伝と無関係』

 

「乳がん」と診断された方のほとんどは、遺伝が原因ではありません。

乳がんができる背景にはさまざまな生活歴や生活習慣などの要因が絡み合って起こります。

 

「遺伝と関係して発生する乳がん」は全体の5~10%程度、それ以外の95%前後は遺伝とは無関係であると言われているのです。

 

乳がんの遺伝性をもつ家系には、いくつかの特徴がある。

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① 親、子、兄弟姉妹、本人を含めて、「3人以上」の乳がん患者がいる。

 

② 親、子、兄弟姉妹、本人を含めて「2人以上」の乳がん患者がいて、そのうちの1人が下記のどれかを満たす。

1)40歳未満の若い年齢で発症

2)左右両側、または左右どちらかであっても片側にがんが多発している

3)他の複数の臓器にがんを認める

4)男性の乳がん患者がいる

 

これらは実際に「遺伝性乳がん」(のリスク)を判断する診断基準となっています。

 

(厳密には乳がんだけでなく卵巣がんの発症にも関係し、診断基準項目はより細かいものもあります)

小林麻央さんのお母様も乳がんでしたね…

お姉さんの麻耶さんは「母親」と「40歳未満の妹」2人の乳がん患者がいるということで②に該当し、乳がんの遺伝的家系としてご自身も予防対策を意識しないといけません。

 

4)は少し驚いた方もみえるかもしれませんね。。。

 

頻度は低いのですが、(100人に1人くらいと言われています)男性の乳がんも存在します。

 

男性の場合は、発見されたときには進行した状態で診断となるケースが多いため、予後(よご:病気の経過、将来の見通し)が深刻です。

 

家系に男性乳がんの方がいると遺伝的要素がかなり濃くなりますので、女性だけではなく男性の近親者の病歴も大切な情報源となることを意識してください。

 

遺伝性乳がんの診断基準に該当しているだけでは、遺伝子検査は受けられない。

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自分が乳がんのリスク体質?なのかどうか、

最近着目されはじめている「遺伝子検査」について気になる方もいると思います。

 

しかし、例えば先ほどの診断基準と照らし合わせて、もし遺伝性乳がんの可能性が強く疑われても、現時点で乳がんの診断を受けていない方は、希望しても遺伝子検査を受けることはできません。

 

あくまでも対象の基本は、「乳がん」の診断を受けた本人となっているからです。

 

(結果が『陽性』だった場合、乳がんではない血縁者に対して同様の遺伝子がないか調べることはできます。

 

また、がんセンターや大学病院では、基礎データ収集目的での「臨床試験」的な位置づけで実施しているところもあるようです。この場合、条件をクリアーすれば遺伝子検査を受けることはできます)

 

ちなみに、乳がんの遺伝子検査は血液を採取して調べます。

 

①「BRCA1」、②「BRCA2」という2つの遺伝子のどちらかの変異がみられると、将来乳がんや卵巣がんになる確率が非常に高くなることが明らかになっています。

もし、BRCA遺伝子(1、2どちらかでも)の変異がみられる方は、50歳までに乳がんになるリスクは持たない場合と比べると16倍以上、最大25倍とも言われています。

 

また、片側だけの乳房だけでなく両側の乳がんの発症や再発の確率も高くなります。

BRCA遺伝子は男女ともに存在します。

 

母親か父親のどちらかが遺伝子変異のあるBRCA遺伝子(1、2どちらかでも)をもっている場合、子どもにも遺伝する確率は、50%と言われています。

 

(日本に特化したデータ未。上記は欧米の調査研究によるもの。)

 

ですが、このBRCAの遺伝子変異が陽性だからといって、必ず乳がんになるわけではありません。

 

そして、このBRCAの遺伝子変異が陰性だからといって、当然ですが乳がんにならない保障はないのです。

 

実際に、今、12人に1人が乳がんになってしまう時代ですから、誰にでもその可能性はあると考え、家族性・遺伝性の可能性が高い方はとくにリスクを人よりも意識する中で、乳がんにかからないためにできる取り組みをすることがとても重要になりますね。

 

ご家族が乳がんの既往がある方の不安は0にはならないと思いますが、「これ以上不安が増大しないため」にできることをいくつか一緒に確認していきましょう 。

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乳がんのリスク回避&「もしも」のときにいち早く気付くための、身近にできる4つの心得

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1)高脂肪食はNG

 

脂肪でも動物性脂肪の摂りすぎは、肥満を招き体内に皮下脂肪となって蓄積されていきます。

 

女性の体はよくできていて、脂肪組織からエストロゲンを作り出す能力をもっています。

 

過剰な女性ホルモンの刺激が乳がんの発症に関与しているので、とくに閉経された方は、この働きが高まりますので、50歳前後の方は、焼肉、から揚げ、トンカツなどなど、、、おいしいものの食べ過ぎには注意してくださいね。

 

2)要は、「ほどほどに」「ストレスのない」生活を送ればよし?!

 

高脂肪食は乳がんリスクを高めるものとして定説化されていますが、実は「イソフラボンの摂取」については、意見が分かれています。

 

乳がんに関していえば大豆は女性ホルモンのエストロゲンに似た成分を含むので食べない方がいい説と、イソフラボンがエストロゲンの働きを邪魔するため、大豆の摂取が乳がんを予防するという説もあると、児玉宏先生(日本初の乳がん・乳腺専門医療機関を開設した医師)は話されています。

 

実はお酒にしても、飲み過ぎが乳がんのリスクを高めることはわかっているようですが、児玉先生の著書によると、一般女性が普通に検診を受けて乳がんが見つかる確率は、1,000人のうち、約1人。

毎日ワインを1杯ずつ飲んでいる人では、1,000人中、1.1人に乳がんが見つかる計算になると記されています。

 

(データ参考・一部引用:専門医が語る 乳がん診療10の真実 お酒を飲むと乳がんになりやすい?より 児玉 宏)

 

乳がんと飲酒の関係について現状は「シロクロ」ついていないようです。

 

また野菜や果物を多く摂取することが確実に乳がんのリスクを減らすというところまで報告はされておらず、先生曰く、食事などの影響で、乳がんになる・ならない、増える、減るに気をかけるよりも、どんと構えてストレスをかけず過ごした方がよいと断言しています。

 

ですので、神経質になりすぎず、食事も運動もお酒などの嗜好品も、「適度に」ですね。

 

3)家族歴情報をしっかりと把握し、検診は「マンモグラフィー」「超音波検査」のダブル検査を!

 

母親や姉妹が乳がんだったという場合、そのまた両親(自分から見て祖父母)がすでに他界している場合、その原因が病気である場合はその病名まで(意外と知りませんよね)把握しておくことは、家族性乳がんの情報を知る上で大切です。

 

様式は違っても家族歴を記載する項目は必ずありますので、そこにわかる情報をしっかりと盛り込んでおくことは大切です。

 

あと、実際の検診の場面で担当する技師に「家族に乳がんがいて心配なのでしっかりみてください~」と、お願いしますと挨拶しがてら言うのも手です。

 

言わなくてもしっかりみてくれます(と思いますが)、そのひと言でよりしっかり見ようという気持ちになるので、(と、知り合いの技師さんが申していました^^)ひと言添えてみましょう。

 

丁寧に注意しながら見てくれるので「見落とし」防止にもつながります。

 

また乳腺の検査に関しても、マンモグラフィーと超音波検査の二本立てを推奨します。

 

ですが別の項でも触れたように、乳腺の発達している状態や授乳中など、年齢や時期によって、または一般健診の中では規約上?ダブルチェックが難しい状況もあるので、自分が家族歴などから乳がんのリスクを心配している旨を伝えることで、両検査が可能になるかもしれません。

さらに、その後のフォローについてもアドバイスが頂けると思いますので、気になることは随時相談してみると良いと思います。

 

それから、検診結果の「異常なし」にどっぷり安心しないでくださいね。

 

毎年乳がん検診は欠かさなかったと言われていた北斗晶さんも、以前乳がんが見つかりました。

乳頭部分という場所も不運でしたが、彼女の場合、「中間期乳がん」と呼ばれる乳がんが考えられます、、、

 

検診時には小さすぎて画像に反映されなくても、このがんは進行が早いので、検診と検診の間に急激に大きくなるケースもあるからです。

 

4)毎日のお風呂で自己検診を必ず行う。

 

ということで、もうこれは忘れず、基本中の基本として行ってください。

 

毎日お風呂に入り、石けんで洗身する。

 

自己検診は「1か月に1回は」とよく言われますが、乳がんリスクのある方はこの日課に自己検診をプラスさせて、より乳房の異変に気付ける機会を設けましょう。

 

神経が集中する指先(第一関節部分)は普段はよくわからなくても、いざというときに「異変」を感じ取ってくれるはずですので^^(それくらい指先は舌の次に敏感な部分なんですよ)

 

まとめ

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いかがでしたか。

家族性・遺伝子的な乳がんのリスクを理解しつつ、でも基本は、乳がんのリスクがある・なしに関わらず、私たちが日々気を付けるべきことの基本は変わりません。

 

ですので、過度に不安に感じる必要はないですが、少しでも「異変」をキャッチできるように、自分の体に、情報に敏感になることが大切です。

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