【乳がんの早期発見】検診より手軽にできる自己検診の正しいやり方

今年、がん患者さんが初の100万人を超えました。

 

なかでも男性の前立腺がん、女性の乳がんの増加が著しく、それぞれの患者数が現在9万人に及んでいます。

女性のがんのトップは「乳がん」-実は1996年からずっと女性の部位別ランキング1位となっています。

 

日本人女性が一生のなかで乳がんを患う確率は、国立がん研究センターがん対策情報センターによると「12人に1人」といわれています。

もはや乳がんは自分にも起こり得る病気です。

 

定期的に乳腺超音波やマンモグラフィーを受けることはもちろん大切ですが、乳がんを「自分でも」見つける方法があるのです。

それは「自己検診」、乳がんのセルフチェックとも言われます。

 

実は検診で乳がんが発覚するよりも、自己検診がきっかけで早期発見に至った方は7割もいるのです。

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簡単におさらい~ 乳がんとは?

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私たちの胸(ふくらみの部分)は脂肪と乳腺から成り立っています。

乳がんはこの脂肪の部分ではなく乳腺にできます。

 

乳頭からつながる管(乳管)が木の枝のように広がっており、その先端には小葉(しょうよう)という母乳を作る組織からできています。

 

大人の女性であればこれが15~20ケ集まったものが乳腺です。

自分の胸をぎゅっとわしづかみにしたときに、乳輪周囲あたりにゴツゴツ?した硬いかたまりの自覚があると思いますが、それが乳腺です。

 

乳がんの9割は乳管にできているのです。

 

実は、、、乳がんになりやすい人がいる。

 

  • 年齢が40歳以上
  • 初潮が早かった(目安:11歳前後)
  • 閉経が遅かった(目安:55歳以上)
  • 出産の経験がない
  • 母乳での授乳経験がない
  • 女性ホルモンを常に内服、注射している

 

これらの原因はすべて女性ホルモンの「エストロゲン」が大きく関係しています。

「エストロゲンの分泌期間が長ければ長いほど、乳がんにかかりやすくなる」ことが報告されているからです。

 

出産し授乳期にはエストロゲンの分泌が一時的に止まりますのでリスクが弱まるというわけです。

 

40歳以上の方はエストロゲンの分泌そのものは減少していくのですが、更年期(45~55歳くらい)にホルモンバランスが乱れてくると細胞のがん化が起こりやすいことから、この時期は乳がんのピークになっています。

 

  • 太っている(目安:標準体重より2割以上重い)
  • 祖母、母親、姉妹で乳がんにかかった人がいる

 

また、閉経すると卵巣でエストロゲンは作られなくなるのですが、その代わりに女性の体は脂肪組織からエストロゲンを作るような働きをしますので、肥満もリスクの一つとなるのです。

 

上記の該当が多いほど乳がんのリスクが高いと言えますので、早くに異変に気付けるよう自宅で簡単にできる「自己検診」が重要になります。

 

  • 「自己検診という言葉は聞いたことあるけど、よく知らない。」
  • 「知っているけど詳しいやり方がわからない、、、」

 

そんな女性も多いと思いますので、自己検診について自身の体験も交えながらできるだけわかりやすくお話していきたいと思います。

 

自己検診を始める前に...「がんのできやすい場所を知る」

 

がんは乳房を4分割したときに ①「上外側」にできやすいという特徴があり(全体の約5割を占める)続いて

 

②上内側            

③下外側

④下内側・乳首

⑤全体にまたがるもの

 

の順になります。

 

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自己検診は30歳を過ぎたら、乳がんの家族歴がある方は20代から「月1回」を目安に行う。

 

最近はがんのリスクとなる動物性脂肪を多く摂る食生活などの影響もあり、30代、20代の若い女性の乳がんも増えています。

 

また、母親が乳がんにかかっている場合のリスクは健康体の女性のおよそ2倍と言われていますので、乳がんの家族歴がある方は20歳を過ぎたら予備群の心構えをもち、自己検診を「定例化」させることが大切です。

 

自己検診を行うにあたり気をつけたいことが『生理前後は避ける』ということです。

 

女性は生理前後、乳房が張ります。(張りの自覚がない方もみえ、その強さも個人差があります)

乳房の張り=乳腺が硬くなるということですので、もし、しこりがあっても乳腺の張りの硬さとしこりの硬さの区別がつきにくいのです。

 

また乳房の張りが強い方は触ることで痛みを伴いますので、自己検診は基本生理中は(授乳期も)行いません。

生理が終わってから4日~1週間くらいになると乳腺はやわらかくなりますのでこの時期がお薦めです。

 

生理がある方は毎月の生理周期のタイミングで行うようにすれば毎月もれなく行うことができます。

閉経後はいつ行っていただいてもよいのですが、忘れないように毎月決まった日に行うとよいですね。

 

では、実際の自己検診の方法とポイントをみていきます。

 

「目」で見て確認する

 

鏡の前に自然な姿勢で立って(座って)、自分の乳房を見ます。

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まずここで自分のいつもの乳房の形、大きさをしっかり認識します。

そのうえで以前と比べて、形や大きさに「変化がないか」チェックしていきます。

 

 

次に、両手をあげる(ばんざいのポーズ)・おろす動作を繰り返しながら「ひきつれ感」がないか確認します。

 

ひきつれ感とは、皮膚が引っ張られるような感覚です。

 

 

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同時に乳房のどこかに不自然な「くぼみ」もできていないか確認してください。

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(「きをつけ」の姿勢では何もなくても「ばんざい」の姿勢をとったときに、えくぼのような「くぼみ」ができる場合があるので注意して見るようにします)

 

乳頭がへこんでいる、先が変な方向へ向いている、乳房全体の形の変化、左右差がある、ひきつれ感・くぼみがある、脇の下の腫れが見られる場合は、その周囲にがんが潜んでいる可能性があります。

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「手」で触って確認する【起きている状態】

 

手は指一本でやるのではなく、人差し指、中指、薬指の3本の「指の腹」(指先の指紋があるところ)を使います。

 

ここは皮膚の中でも触覚に敏感な部分です。

これらを乳房にあて軽くなでていきます。

このとき、触る胸の手は上へあげます。

 

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私が医師から勧められたのは、入浴時「石けんを使って」行う方法です。

石けん液のヌルヌルで指がなめらかに動かせるためしこりが発見しやすいためです。

(ボディーソープは泡立ちやすいので、くぼみや腫れの観察の妨げにならないよう少し気をつけてくださいね)

 

片胸ずつ行いますが、触る方の胸の手は軽く上にあげます(乳腺をのばし広げる感じ)

 

乳房にのせた手をゆっくり小さな円を描きずらしてはまた円を描き…

のの字をいくつも作るような感じで胸全体にまんべんなく行っていきます。

 

乳頭の周囲の胸のふくらみ部分だけではなく、脇の付け根、鎖骨下あたりまで広範囲に確認してくださいね。

 

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「がんのできやすい場所」(前述参照)を意識しながら「ひきつれ」や「くぼみ」があった周囲は念入りにチェックしてください。

 

乳頭からの異常な分泌物を確認するため、乳輪にかかる乳頭の根元あたりをつまみ、「乳頭をしぼる」ことも忘れず行います。

 

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もし「血性」(赤色、ピンク色)の分泌物が出てきたら、至急、乳腺外科か乳腺専門クリニックを受診してください。

地方で乳腺に特化した病院がない場合は、外科へ問い合わせてください。

 

乳頭からの分泌物の確認ですが、妊娠中は乳頭刺激によって子宮を収縮させ、流産、早産の危険性もありますので妊婦さんは行わないでください。

 

また、産後から断乳後数年は乳頭をしぼれば母乳が出てきます。

(個人差はありますが乳白色~透明色)ですので妊娠、出産、授乳状況によっては分泌物の状態と乳房症状の有無と合わせながら様子をみていきます。

 

あまりに長引いているので心配、乳房症状も伴う場合は医師へ相談してください。

 

「手」で触って確認する【横になった状態】

 

自己検診は、起きて行うのと横になって行うのに優劣はありませんが、特にバストの大きな女性は、横になった状態の方が乳房の厚みが平らになるので確認しやすいといわれています。

 

室内で行うときは、石けんの代わりにボディーローションやパウダーを使うと指のすべりが良くなります。

自己検診の方法は起きた状態のときと同じです。

 

横になって行うときは「乳房を平たくさせる」ことがしこりを見つけやすい姿勢となるので、チェックする側の肩の下に低めの枕やタオル等を敷いてくださいね。

 

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自己検診を行って感じる疑問と不安「硬く触れるもの...これが乳腺?これはしこり?!」

 

自己検診を実際にやってみると、

「やり方はだいたいわかったけど、胸の「グリグリ」が乳腺なのか何なのかよくわからなかった、、、」

そう感じる方が多いかもしれませんね。

 

先にお話しした胸をわしづかみにしたときに感じる、中心にゴツゴツしたかたまり?は乳腺なのですが、自己検診をしていると、それがゴリゴリ、グリグリ、ボコボコ、(よく聞かれる表現です)感として手が認識します。

 

とくに初めて自己検診をすると、(‘何か感じる’けどよくわからない)という実感になります。

 

私の友人がひとりは12年前に、もうひとりは3年前に乳がんになってしまったのですが、彼女たちも検診ではなく自分でしこりに気づきました。

乳がんになったその友人たちは、「自分の気づき」のおかげで早い段階で治療ができ、今も元気に過ごしています。

 

彼女たちに自覚した「しこり」の状態について尋ねると、

 

  • 「小さなビー玉みたいな硬いもの」
  • 「硬い石ころみたいな感じ」

 

そしてそのしこりは、「痛みはなかった」と表現していました。

 

乳がんの初期に「痛み」は出現しません。

そして、しこりは「硬い」ことが乳がんの特徴となります。

 

乳房の小さい方、乳腺の薄さ、触覚の感じ方の差などで、中には1cmぐらいでも自覚できる方もみえますが、一般的にしこりを自覚できる大きさは「2cmくらい」と言われています。

 

彼女たちが揃って言っていたのは

 

「なんか胸が『いつもと違ってた』じゃんね、、、」

 

「自己検診」を続けるための、大切な考え方

 

「まずは『いつもの』自分の乳房の状態を知る」普段から自分の胸をよく見てよく触っておくこと、彼女たちの言葉からもこれがすべての基本となります。

 

「意識づけ」から始めるなら、入浴時体を洗うときに直接石けんを手につけて洗身をする日をもうけ、「自己検診」のつもりで胸を広範囲に「なで洗い」するだけでも良いと思います。

 

厳密には、しこり=がんではありませんので(がん以外の他の乳腺の病気などでしこりができることが多い)

自分が感じた「しこり」は心配のないものかもしれませんし、もしかするとそれはしこりではなく乳腺だったり、胸の小さい方であれば、肋骨などをしこりと勘違いしてしまうこともあるかもしれません。

 

その異常かどうかの判断をしてもらう前の、「きっかけ」となるのが自己検診なのです。

 

  • まずは普段の自分の胸の状態を知っておく。
  • はじめは「なで洗い」からでもOK。最低でも月に1回自己検診を行う。
  • 自己判断せず自分の手が「しこり」と感じたら、気になる症状や心配なことがあればためらわず病院受診する。
  • 乳腺超音波やマンモグラフィー検診と自己検診でダブルフォローする。

 

これらはとても大切なことだと思います。

 

自分でできる乳がんの早期発見のカギは自己検診です。

 

私はすでに簡易版自己検診「素手洗身」も取り入れながら始めています。

みなさんも自分の乳腺に関心をもち、「自分の体を知って、自分の体は自分で守る」自己検診を行いましょう!

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